2010年11月26日(金)、太白区中央市民センター(たいはっくる) 小会議室2 にて開催しました。
課題範囲は、第5部〜最後まででした。
参加者は、13名でした。
終了後は、養老乃瀧長町店にて意見交換会(飲み会)を開催しました。
まず最初に、ドラッカー学会名古屋大会の報告から始めました。
懇親会での『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』著者の岩崎夏海さんのスピーチをご紹介しました。
読書会本編のメモ
第5部 利益と経営の評価
第20章 利益の幻想ー利益とはコストである
参加者のうち会計を専門とされる方には、かなりショッキングな一言からこの章は始まる
「利益は存在しない」
利益というものに対する勘違いをこれまでもドラッカーは度々指摘してきた。
ここでは、利益がコストであることを3つの面から指摘する。
1、資金という重要資源のコストである
2、リスクと不確実性に対する保険料である。
3、明日の雇用と年金のための資金である。
決して余剰などと言うものではなく、会社を継続していくために必要不可欠なものである。
これは時間軸で見るとわかりやすい。
利益とは、ある期限をきったときに帳簿上発生した、その期間の売上からコストを引いた差である。
連続して存在する企業を、むりやり時間軸上でぶったぎったものである。
納税のためには1年毎に、投資判断の材料のためには四半期毎にこの利益をしめさなければならない。
しかし、企業という時間的に連続したものの本質としては、この利益は将来のためのコストであるというドラッカーの指摘がよくわかる。
利益をあげるということは、未来に備えることであり企業の責任である。
”社会から収奪しているのは、・・・それだけの収入をあげていない会社である。”
第21章 犯してはならない5つの大罪ー業績はこうして悪くなる
1、利益幅と創業者利益の家臣
2、市場が受け入れる限度一杯に価格を設定すること
3、コストを中心に価格を設定すること
4、機能の祭壇に捧げるために明日の機会を屠ること
5、問題に餌をやり、機会を飢えさせること
市場の価格からスタートすべきことは、まさにその通りで、消費財メーカーに置いてはほぼ常識的に行われていることである。
しかし、建設業では殆どの場合、コストを中心に価格を設定している。
これは本当に大罪に当たるのだろうか?
今まで作ったこともない一回限りのものに関しては、市場もその値段を判別できないため、必ずしもこれに当てはまらない。
例えば、大型の社会資本整備などはコストを積み上げてみないと検討がつかない。
ただし、建設関連でも個人住宅など民間物件は、お客様の支払い可能な金額から価格が決まるものもある。
忘れてはならないのは、お客様がどんな価値を必要としているのか?
そして、お客様にどんなメリットを与えるのか?
それによって価格は論理的な必然性をもって決まる。
そして、その価格に対して必要な利益を得るために製品は設計されなければならない。
第22章 経営能力を採点するー4つの領域における成果
経営のリトマス試験紙
1、投資の結果を見込みと比較する
2、人事の結果を期待と比較する
3、イノベーションの成果を期待と比較する
4、計画の結果を期待と比較する
”計画とは今日の至言を明日のために使うプロセスである。”
第23章 自社の業績を評価するー5つの計器
1、市場における地位
2、イノベーションの成績
3、生産性
4、キャッシュフロー
5、収益性(利益幅と回転率)
第6部 組織と人
第24章 情報中心の組織をつくるー情報化が階層をフラットにする
”情報型組織には、相互理解、価値観の共有、相互信頼が不可欠である。”
これを実現するために役立つ本として『7つの習慣―成功には原則があった!』と『第8の習慣 「効果」から「偉大」へ
』を紹介した。
特に『第8の習慣』から、「4つの慢性的問題とその急性症状を予測する」(P.162〜)を読み上げて紹介した。
4つの慢性的な症状とは、
1、信頼が低下する
2、ビジョンと価値観が共有されない
3、組織が整わない
4、社員を無力化する。
ここに書いてあることは、ほとんどの組織に当てはまるのではないかと感じる。
特に、組織内に相互信頼がない場合は致命的で、組織として機能しない。
見た目は組織の体をなしていたとしても、中身は烏合の衆である。
ドキッとした人は、ドラッカーの著作ではないが、是非『7つの習慣―成功には原則があった!』と『第8の習慣 「効果」から「偉大」へ
』を読むことをおすすめする。
第25章 チームの種類と使い方
野球型 ポジション固定
サッカー型 チーム
テニスのダブルス型 カバー
個人的な経験からも、サッカー型のチームは個々の自立があって初めてチームとして相乗効果を発揮する。
自立していないメンバーが混じると、内部に依存関係が発生し、チーム本来の機能が低下する。
第26章 スタッフの肥大化を阻止せよ
1、重要度の高い長期の問題に専念
2、仕事を限定(少なく)
3、目標と期限を決めさせる
4、現業の実績のないものをスタッフにしないーできれば2つ以上の機能部門を経験
5、一生の仕事にさせない
スタッフは本来現業の支援を行うはずだが、現業の指揮に走ることはよくある。
第7部 リーダーシップと企業文化
第27章 行動様式を変えるための4つの方法ー企業文化を利用せよ、捨てるなかれ
1、いかなる成果が必要かを明確にする
2、すでに行っているところはどこかを問う
3、組織の文化に根ざし、かつ成果を挙げる行動を奨励する
4、評価と報償を変える
第28章 リーダーにカリスマ性はいらない
リーダーシップへの誤解
カリスマ性はいらない
リーダー的な資質や特性は存在しない
リーダーシップとは仕事である
組織の使命を考え抜き、目に見える形で明確に定義し、確立する
リーダーとは、
目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、維持する
リーダーシップとは責任である
失敗を人のせいにしない
リーダーシップとは信頼である
リーダーシップとは真摯さに支えられる
最近のリーダーシップに関する考え方は、従えて率いていくというものから、支援し導いていくものへと変わっている。
『サーバントリーダーシップ』という考え方が主流になってきている。
企業家が陥るわな
イノベーション 機能に属するものを捨てる
企業家精神のわな
1、思いもしない市場での成功
2、利益が第一と考える
3、マネジメントが追いつかない
4、自分の役割
「この段階で事業に必要なことは何か」
「自分にはそれができるか」
企業家精神の発揮
改善
展開
イノベーション
社会
医療
教育
地方行政
公的部門
政府そのものがイノベーションを必要としている